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ニチレイの早期復旧から考える、バックアップと復旧準備の大切さ

ニチレイの早期復旧から考える、バックアップと復旧準備の大切さ

2026年7月、ニチレイグループでサイバー攻撃によるシステム障害が発生しました。この影響範囲はニチレイだけにとどまらず、他社の物流にも影響を与えました。

一方で、今回注目したいのは、ニチレイの復旧の早さです。

ニチレイは、2026年7月13日に第1報を公表したあと、7月17日から順次業務を再開し、7月24日には全拠点で平常時の通常稼働に移行したと発表しています。

実際の現場では大変な対応があったはずです。そのうえで、サイバー攻撃によるシステム障害からここまで短期間で通常稼働に戻したことは、率直にすごいことだと思います。

比較として、2025年のアサヒグループの事例では、業務全体の正常化までには数か月を要しました。

アサヒグループの対応が遅かったという話ではありません。規模やシステム構成、被害範囲、安全確認の手順は会社ごとに大きく異なります。むしろ、大規模なシステムを安全に戻すことがどれだけ難しいかを示す事例だと思います。

そのうえで、ニチレイの復旧の早さは、あらためて印象的です。

今回、公表情報だけを見ると早期復旧できた理由は記載されていません。しかしながら、事前の準備としてバックアップがあったのは間違いないでしょう。

とはいえ、バックアップは「取っている」だけでは十分ではありません。

たとえば、同じサーバの中にバックアップを置いていたり、常時接続されたNASにだけ保存していたりすると、ランサムウェア被害時にバックアップまで暗号化されてしまう可能性があります。

また、最新のバックアップだけしか残していない場合、異常に気づいた時点では、そのバックアップもすでに壊れている、ということも考えられます。

IPAの資料でも、ランサムウェア攻撃に備えて、バックアップをネットワークから隔離された場所に保管すること、世代管理を行うこと、リカバリ計画や訓練を行うことの重要性が説明されています。

中小企業の場合、最初から大きな仕組みを作る必要はありません。

まずは、次のような点を確認するだけでも十分意味があります。

  • 止まると困るデータは何か
  • 何日前の状態まで戻せれば業務が続けられるか
  • バックアップ先は本番環境と分かれているか
  • 最新だけでなく、過去分も残っているか
  • 実際に復元したことがあるか
  • 誰が復旧作業を行うか決まっているか

特に最後の「実際に復元したことがあるか」は大切です。

バックアップは、取れているつもりでも、いざ戻そうとするとファイルが足りない、権限がない、手順がわからない、ということがあります。

復旧できるかどうかは、技術だけでなく段取りの問題でもあります。

受発注、請求、在庫管理、予約、顧客情報、図面、共有ファイルなど、ITが止まると業務に影響が出る場面は、中小企業にもたくさんあります。

大企業のサイバー攻撃を「大きな会社の話」として見るのではなく、自社なら何が止まるか、何から戻すかを考えるきっかけにしたいところです。